トップメッセージ

株主・投資家の皆さまには、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

2023年3月期の当社グループを取り巻く経営環境は、日本国内においては、新型コロナウイルス感染症に伴う規制が緩和され、経済活動の正常化が進み、景気停滞から持ち直しの動きが続きました。アジア・オセアニア地域の経済につきましては、中国ではゼロコロナ政策による景気の停滞は見られましたが、その他の地域では持ち直しの動きが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化、急激な為替変動、原材料価格の高騰などにより、国内外ともに先行きは依然として不透明な状況で推移しております。

国内建設市場においては、住宅着工戸数は、貸家や分譲住宅は増加しましたが、持家が減少し、前年を下回りました。非住宅関連においては、店舗、工場、医療福祉施設などの着工面積が増加し、前年を上回りました。このような経営環境の下、当社グループは、中期経営計画「Change & Grow 2400」の方針に基づき、非建設分野向け事業および海外事業の強化、社会課題の解決に貢献する商品群の拡充、利益基盤および経営基盤の強化などを推進いたしました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高242,055百万円(前年同期比12.8%増)、営業利益20,557百万円(同1.0%増)、経常利益22,088百万円(同1.1%増)となりました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては建装建材セグメントに属するグループ会社の固定資産などに関連する減損損失を計上したことにより10,059百万円(同23.3%減)となりました。配当につきましては、減配をしない累進配当の継続を基本方針としており、期末配当金は1株につき59円とし、中間配当金と合わせた年間配当金は、1株当たり109円といたしました。

今後の景気動向につきましては、国内経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う規制のさらなる緩和により経済活動が活性化し、引き続き景気が持ち直していくことが期待されます。ただし、原材料価格やエネルギーコストの高騰、金利・為替の変動などによる経済への影響には注視が必要です。国内建設需要につきましては、住宅着工は前年と同水準で推移し、非住宅建設市場は引き続き堅調に推移する見通しですが、住宅取得マインドの低下や国内外の金利政策の変化による影響が懸念されます。アジア・オセアニア地域の経済は、日本国内市場と比較すると高い成長率が期待できますが、欧米の景気失速による影響、中国の不動産市場の回復動向などに留意してまいります。

このような経営環境の下、当社グループでは2024年3月期を最終年度とする中期経営計画「Change & Grow 2400」を推進しておりましたが、最終年度の業績目標(売上高2,400億円)を達成し、経常利益も目標達成ペースで進捗したこと、また、外部環境に迅速に対応するために、これを1年前倒しで終了し、新中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」へ移行することといたしました。創立90周年を迎える2027年3月期を最終年度としており、売上高3,000億円、経常利益300億円を目指すアイカ10年ビジョンの総仕上げに取り組んでまいります。

新中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」では、収益性の改善、成長事業の創出・育成、および気候変動対応・人的資本をはじめとした経営基盤の構築を基本方針として定めています。当社グループは、持続的な成長とより一層の企業価値向上に努めてまいります。

株主・投資家の皆さまにおかれましては、引き続き一層のご支援ご指導を賜りますようお願い申し上げます。

2023年6月
代表取締役 社長執行役員