港区赤坂のビルに囲まれた都市の隙間のような17坪の敷地である。ジョリパットは、外壁、玄関壁及び玄関から屋上へと連続する階段の壁に採用した。計画のテーマは「光」。ビルに囲まれた暗い敷地において、いかに建物の中に「光」を取り込み「光」を感じさせるか、また建物の発する「光」が、都市の景観形成に寄与することを目指した。昼、白い外壁は周囲の雑然とした街並みにおいて清涼さをもたらし、夜は大きく切り取られたガラスの開口部が「行灯」のように街を照らすことで、小さいながらも一つの都市景観を生み出すことを意図している。玄関では、外壁から続くジョリパットの白い壁が、小口径LEDダウンライトに照らされ、ゆず肌の柔らかい壁が優しく人を迎え入れ、そのまま屋上まで連続する壁として空間を一体化させている。階段はガラスのスクリーンを透して居室と視線を共有することで、昼は天空から降り注ぐ陽光を居室にもたらし、夜は照明が優しく壁を照らし空間に光を導くと同時に、漏れた光が街に明るさをもたらす。
外壁全面にジョリパットを採用、外壁を汚さないディテールを施し、昼は街に清涼さを、夜は街に光をもたらす
■外壁、ゆず肌(特注色)
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外壁から連続するジョリパットの壁が、床の黒煉瓦との対比により際立つことを意図した
■内壁、ゆず肌(特注色) |
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「光」を導くための階段には19mmのガラスを採用、玄関から屋上までゆず肌の優しいテクスチャーが連続する
■内壁、ゆず肌(特注色)
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階段はガラススクリーンを透して居室と連続し、陽光・照明によって照らされた壁が空間に「光」をもたらす
■内壁、ゆず肌(特注色)