D101B_Passive Wall (パッシブウォール)
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- 技術情報
■ 外壁に目地がいらない理由 ― 層間変形追従性能について ―
Passive Wallが採用している断熱材 (EPSボー ド) は圧縮復元性に富み、 面内方向の引張とせん断変形をガラスメ ッシュ補強ベースコー ト が抑える構造になっています。 下地構造体がRC造であれば、 変形量は1/200rad、 S造であれば1/120radで、 建物が壊れる変形量はその倍の1/100rad、 1/60radと考えられます。 層間変形実験で1/41radまでの安全性を確認していますので建物が倒壊寸前まで断熱材が剥落することは ありません (表-1) 。 ワーキングジ ョイン ト部でのせん断方向の動きに対する観察実験において、 断熱材の跨ぎ張りによる応力緩和効果を確認しております。 (※1)
真のせん断変形角 γo +1/200rad (1〜3回目) −1/200rad (1〜3回目) +1/120rad (1〜3回目) −1/120rad (1〜3回目) +1/100rad −1/100rad +1/80rad −1/80rad +1/60rad −1/60rad 油圧ジャ ッキの最大ス トローク時 (+1/41rad) 試験体状況 異常なし 異常なし 異常なし 異常なし 異常なし 異常なし 異常なし +1/65rad時、 断熱材の剥離する音がしたが、 目視による浮きや断熱材の緩みはなかった。 異常なし ・2枚のスレート板をまたいで施工。 +1/55radから断熱材の剥離する音が大きくなった。 ・EPSボードと下地スレート間は接着モルタルにて全面 +1/41rad時では手で動かすと断熱材が取り付け部材から一部、 剥離した。 異常なし ※1 ワーキングジョイント
でのせん断方向の動きに対する
試験結果
変位
(20mm移動の場合
表2-1. 試験体上部
メッシュ1重貼り
メッ
接着にて貼り付け。
・パッシブウォールメッシュは1重貼り、22重貼り、3重貼り で検討。 ・下地スレート板をせん断方向に0 mm~ 20 mm動かし、 パッシブウォールシステムの形状変化を観察
300mm
20mm
表2-2. 試験体側面(せん断方向
変位 メッシュ1重貼り
メッ
● 2枚のスレー ト板をまたいで施工。 ●
20mm
EPSボー ドと下地スレー ト間は接着モルタルにて 全面接着にて貼り付け。 パッシブウォールメ ッシュは1重貼り、 2重貼り、 3重貼りで検討。 下地スレー ト板をせん断方向に0mm〜20mm動かし、 パッシブウォールシステムの形状変化を観察
スレート 300mm
伸縮方向
200mm
パッシブウォールメッシュ パッシブウォールベースコート
20mm
50mm EPSボード スレート
● ●
表2-3. 試験体側面(垂直方向
変位 メッシュ1重貼り
メッ
20mm
20
メッシュを伏せ込んだベースコート面にはクラック等の不具合は発生しなかったが、EPSボードの割 ト板からの剥離が観察された。 メ ッシュを伏せ込んだベースコー ト面にはクラック等の不具合は発生しなかったが、 E P Sボー ドの割れ及びE P S端部の下地スレー ト板 標準の施工仕様ではEPSボード端部はメッシュのバックラップ構造をとっているため、剥離しにくい からの剥離が観察された。 はバックラップ処理を施さなかったためEPSボードの下地スレート板からの剥離が発生したものと考 標準の施工仕様ではE PSボード端部はメッシュのバックラップ構造をとっているため、 剥離しにくい納め方となっている。
本試験ではバックラップ処理を施さなかったためE PSボードの下地スレー ト板からの剥離が発生したものと考えられる。 試験体上部
変位 メ ッシュ 1重貼り メ ッシュ 2重貼り メ ッシュ 3重貼り
20mm
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