優秀賞
上池台の住宅 いけのうえのスタンド
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2階以上の外壁を黒のジョリパットアルファを採用し、1階の小屋型のボリュームと分節した。
スタンドは隣家や駐車スペースを横断してまちに開かれ、カウンター越しに通り行く人と対話が生まれる。
使用製品 外装(壁): ジョリパットアルファ(JP-100SBK) 内装(壁): ジョリパットアルファ(JP-100特注色) -
居間から続く縁側の壁面。特注色ジョリパットのアクセントウォールとした。
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床材にフレキシブルボードNを採用した洗面とラワン合板の寝室にレベル差を設け、下階に光を届ける。
©Sadao Hotta
ふらりと立ち寄れるスタンドが街とのつながりを生み出す
- 大田区上池台の住宅街の一角に建つこの建築は、建築家夫婦が住まう住居と、夫婦が営む設計事務所からなる。
- 閉鎖的な住宅になりがちな都市部だからこそ、
- 自ら住まいの一部を街に開き、顔のみえる暮らしを求めた。
- 1階の通りに面した透明な小屋型のボリュームは、住宅に挿入されたパブリックスペースであり、
- 気軽に立ち寄ってもらいたいという気持ちから「スタンド」と名付けた。
- スタンドでは、設計事務所のほか、コーヒースタンドや盆栽教室、
- 上映会、出張本屋を招くなど、ふらっと立ち寄れる仕掛けを展開している。
- スタンドは、通りの向こうからでも視線が抜けるよう透過性のある開口部とし、
- 通りに面して設けられた水場を介して、カウンター越しに対話が生まれる。
- また、内外ともひと続きの土間とし、軒下空間を一体的に使えるように設計した。
- 一方、2・3階のプライベートスペースは、15坪という狭小地にありながら、
- あえて縁側やテラスといった外部空間を取り入れ、開口部から街の気配を引き込むことで、
- 季節や時間、状況などによってさまざまな変化をもたらし、拡がりのある住空間を目指した。