AICA 2018年施工例コンテスト AICA Project Reference Contest

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優秀賞

裾野タナカ邸

設計/
田中昭成ケンチク事務所
  • 撮影/新建築社
    2階ホールから早朝の眺め。川と富⼠⼭が⾒える。天井に逆さ富⼠が増幅される

  • 使用部材
    内装(天井): アイカハイグロスポリ(MR-6900)
  • 撮影/新建築社
    対岸から⾒る全景。1階の⽊のインテリアと2階の⽩いインテリアが⼣景に浮かぶ

  • 撮影/西原 慎悟
    1階ホールから河畔⽅向を⾒下ろす。個室が付随する段床状のホールでくつろぐ

    撮影/西原 慎悟
    ⻄側俯瞰全景。4mの崖に差し込まれた1階、その上に乗る2階は富⼠⼭に向く

富⼠⼭の眺めと河畔、両⽅が楽しめる住まい

裾野市は富⼠⼭東南に位置しているが、麓とはいえども建て込んだ住宅街からは富⼠⼭が⾒えるとは限らない。幸いこの敷地は、段丘崖に位置するため視界が開けて富⼠⼭を望むことができる。⼀⽅ その崖下の河畔は草⽊が⽣い茂り、前⾯道路とは別世界の魅⼒を持っていた。施主はその2つの環境を気に⼊って、富⼠⼭の眺めと河畔の両⽅を楽しめる住宅を望んだ。その結果計画したのは、合理的な基礎構造とするため川に正対して崖に差し込んだ1階、富⼠⼭の風景を正⾯で取り⼊れるため53度ひねった2階という構成の住宅である。1階は河畔に下りていく段床状のホールを中⼼とした「川を楽しむ部屋」で、構造現しの⽊の空間として川⾳を聞きながらくつろぐ空間であり、⼦供の成⻑に合わせて将来のDIYも想定した空間でもある。2階は富⼠⼭を望むスコープ状のホールを中⼼とした「⼭の部屋」である。明るく⽩い空間において勾配天井の逆パースがかかることで、富⼠⼭が近く明瞭に感じられ、笠雲の流れや⼭肌の雪煙なども⾒て取れる景⾊を得ている。加えて天井のハイグロスポリは、部屋を明るくするだけでなく逆さ富⼠を天井に写す新しい風景をつくりだしている。