AICA 2019年施工例コンテスト AICA Project Reference Contest

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優秀賞

長谷の客間、隣の住まい

設計/
G ARCHITECTS STUDIO 田中 亮平
共同設計/許光範、山翠舎
  • 撮影/志摩 大輔
    ⽇本庭園から離れを臨む。その先に由⽐ヶ浜が⾒える。室内の壁⾯はジョリパット不燃

    使用部材
    内装(壁): ジョリパット不燃 コテ刷⽑引き(JQ-200T1030)
  • 撮影/wald(山口 祐康)
    「⺟屋」1Fの客間。ダイニングからは離れ越しに海を臨む事が出来る。壁⾯はジョリパット不燃

  • 撮影/志摩 大輔
    「離れ」2階浴室。脱⾐所などはジョリパット不燃で仕上げた

  • 撮影/志摩 大輔
    「離れ」1F客間ロ。海を切取る眺望カウンターの⾒返しは座敷と⽇本庭園。壁⾯はジョリパット不燃

住まいながら饗しをする
海辺の住空間・宿泊施設

由⽐ヶ浜沿いの住宅兼旅館。施主は以前都内で築90年の⽇本家屋に住み副業として⺠泊を運営していた若い夫婦。今回は本業として場所を鎌倉に移し、住まいながら饗しをする為の場所が求められた。敷地は街道と路地に接道した住宅密集地の⼀角。
建物は周辺のスケールに合わせ分棟とし、庭園を挟んで奥を⺟屋、海側を離れとして配置。⺟屋⼀階はダイニングとして奉仕する場所で、⼆階のみが施主の為の居住空間である。つまり建物の殆どは宿泊者に奉仕する「客間」のような空間。それは⺠泊という住宅の⼀部を提供し客を饗すという経験がキッカケとなり、住宅建設という私的な⾏為や「客間」という形式にも踏み込んだ提案となった。
今回、以前の⽇本家屋で使われていた古材や古建具などの骨董品の類を多⽤。それらは本来とても私的なものだが、それらを引き⽴て調停させるよう苦⼼した。その⼀例としてジョリパットは左官材としての風合いと現代的な性能を両⽴している為内装で多⽤し、さらに鉄部に発⽣する⾚錆を⿊錆に変換させ風化を調整し新旧を馴染ませた。古⺠家移築などでは無く、あくまでも現代的な設えや機能を持った住空間・宿泊施設としてのデザインとして昇華させた。