AICA 2019年施工例コンテスト AICA Project Reference Contest

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特別賞

高級食パン専門店 やませ

設計/
大薮義章建築計画所 大薮 義章 撮影/アイフォト 伊藤 彰
  • ⾷パンと引き出しとの関係。
    客側のカウンターにはディスプレイ⽤の開放型引き出しがある

    使用部材
    内装(ディスプレイ引き出し・出窓の内側): メラミン化粧板(TJY2070K、SK-6400KG)

食パンを模したBOX型の引き出しと
立体格子で構成した新感覚の空間

3世代続いた呉服屋を廃業するかわりに⾼級⾷パン専門店として再⽣する計画。この全く違う2つの業態をデザインによって繋げることで、意外性やワクワク感を⽣むと共に呉服屋の伝統を継承することを目指した。
そして両業種を架け渡す要素として⾷パンをイメージしたBOX型の引き出しを採⽤した。これは着物を収納する桐箪笥から着想した。この引き出しを単なる⾷パン収納としてだけでなく、引き出す度に店舗内・外のデザインが連動して変化していくように計画した。
この店舗は3つの構成要素から成り、1つ目はビルの3階の出窓に挿⼊された照明内蔵の⾷パン箪笥。これは外部のディスプレイも兼ねる。2つ目は⾷パンと備品収納、照明を内蔵したカウンター。3つ目は天井照明であり、これら全ては⾷パンを模した複数の引き出しとそれらを露出させるための骨組みとしての⽴体格⼦の2種類の要素のみで構成している。
またこの店は店舗としては不向きなビルの3階にあり、さらに⾷パン箪笥と表裏⼀体である出窓のディスプレイも敢えて何なのか分からないようにデザインしており、知る⼈ぞ知る⾼級⾷パン専門店としてSNSを通じて話題を⽣むことを念頭に計画している。