AICA 2019年施工例コンテスト AICA Project Reference Contest

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特別賞

House NI 裏とオモテと境界

設計/
1-1 Architects 一級建築士事務所 神谷 勇机、石川 翔一 撮影/1-1 Architects 一級建築士事務所
  • 内壁はジョリパット、キッチンはセラールを採⽤。
    ⽩いシンプルな1階と荒々しい天井空間を対⽐させた

  • 夜は透明な天井空間と、壁としての存在間を放つ1階が対照的。まちに古い⼩屋組みの魅⼒を表現した

  • 天井空間の梁下端はFL+1.5mほど。座ればまちに視線が抜け、⽴てば梁によって囲まれた空間となる

    使用部材
    内装(壁): ジョリパットアルファ ゆず肌(JP-100T1001)
    内装(キッチン): セラール
    外装(壁): ジョリパットアルファ ⼩粒ロックS(JP-100T3001)

築50年木造平屋住宅を改修し
光と風が通る、天井空間を創出

敷地は周囲で開発が進む市街化調整区域にある。古いものが廃棄され風景が塗り替えられていく中で、単に残すでもなく更新する訳でもない、⻑時間そこにあったものが有するエスプリの最⼤化をもって、都市のスクラップアンドビルトに対する1つの解を提⽰する。
本計画では、築50年の⽊造平屋住宅がもつ暗い天井裏を、風の通る明るい天井空間に読み替えた。具体的には、既存住宅の軸組だけを残して部分解体した後、柱間に新設梁を挿⼊し、耐震補強を兼ねた⽔平⾯を形成することで、明るく開放的な天井空間とプライバシーの保たれた1階を⽣み出した。
天井空間は具体的な部屋名は無く、柔軟に振舞うことが可能であり、1階(LDK、寝室など)では収まりきらない⽣活を補填する。また、天井空間の四周を開⼝とすることで光と風を1階へ届けている。過去に閉じられていた暗くて⼤きな天井空間が町に開かれ、住⼈と町との適度な距離感を⽣むと共に、町並みの⼀部となり古いモノの価値を町に訴えかける。
本計画において、内外ともに⼤壁⼯法によるジョリパットを採⽤することで、上層の透明性と下層の不透明性の対⽐をシンプルかつ爽やかに表現することができた。