AICA 2019年施工例コンテスト AICA Project Reference Contest

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特別賞

ホテル オリエンタルエクスプレス 東京蒲田

設計/
Katagiri Architecture+Design 片桐 和也、ONEデザインズ株式会社 撮影/Anna Nagai
  • ⼤きな窓をもち明るく開放的なレストラン

    使用部材
    外装・内装(壁): クライマテリア モルタルアート(CM02)
  • インダストリアルな雰囲気を持ちつつ開放的なメッシュ天井のフロントエリア

  • 外壁からホテルフロントへとモルタルの壁が連続する

テクノロジー&ノスタルジー、地域性をインテリア化

⼤⽥区・蒲⽥は、町⼯場による最先端加工技術の集積地であり、東京の⽞関⼝として国際的な発展が期待される⼀⽅で、昔ながらの下町の雰囲気を随所に残す温かみのある町である。
ホテル オリエンタルエクスプレス東京蒲⽥では、蒲⽥の町の魅⼒であるテクノロジーとノスタルジーの両者が混在する情景を、宿泊をとおして体験できる。商店街の⼀角に顔をだしたメタルメッシュのスクリーンによるアプローチを抜けると、風除室に展⽰された1940年代の英国製旋盤機の出迎えによって体験がスタートする。外観から連続したメッシュ天井のエントランスホールは、天井裏のダクト等をあえて照明で照らし上げることで、インダストリアルな雰囲気の演出をすると共に、アプローチからつながる明るく開放的な空間とした。隣のダイニングでは、中央⼤テーブルの上に国内最⼤級6mの⼀枚板の鉄板を折り曲げて作った照明器具が吊られており、朝⾷時のみならず⽇中も⼈々がまわりに憩えるオープンなスペースとした。客室に向かうエレベーターホールでは、⼤⽥区の町⼯場による最先端の加⼯技術(合せる、掘る、削る、折る、磨く、曲げる)を⽤いた階数表⽰を設置し、各階それぞれで職⼈の技をめぐる仕掛けを施した。使用したモルタルアートは、建物の内装材に取り入れられた合板や金属波板といった工業製品と相性がよく、これらを使用することによって蒲田の持つ地域性をホテル内に引き込み街をインテリア化することで、「蒲田に泊まるホテル」として場所に根差したホテルを目指している。