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アイカのメラミン化粧板、ここがスゴい!
国内で圧倒的なシェアを誇るメラミン化粧板の強みをご紹介します。
メラミン化粧板国内シェアNo.1! 建築業界にアイカを知らない人はいない
商業施設、公共施設、病院、オフィス、ホテルなど、不特定多数の人が使う空間には、耐久性のあるメラミン化粧板が不可欠です。住宅でも、洗面カウンターなどの表面でメラミン化粧板が使われています。このメラミン化粧板の国内シェアは、約80%。圧倒的なシェアNo.1メーカーです。
アイカ工業は、建築業界で知らない人はいないほどの知名度を誇っており、アイカ製品は多種多様な空間で活躍しています。誰しも毎日アイカ製品に触れていると言っても過言ではありません。
1960年にアイカがメラミン化粧板を発売した頃、日本は高度経済成長期に入り、住宅建設ブームに伴いメラミン化粧板の需要も大きく伸長していました。創業以来培ってきた自社技術を活かしての業界参入でしたが、日本では7社目となる後発メーカーでした。
発売4年後には業界3位となったものの、競合メーカーがひしめく中、1980年頃の業界シェアは3~4位にとどまっていました。化粧板の色柄選定で決定権をもつ設計事務所における認知度が低い状況を打開すべく、現在世界的に有名なある建築家に相談しました。「ブランド力を強化したいのであれば、日本中の設計者を一同に集められるイベントを開催することだ。世界で注目されている建築家を呼び、交流できたり講演が聴けたりする機会を設ければ、設計者は集まる。そこで設計者とのコネクションをつくり、商品のPRをすればいい」と提案いただきます。これを受けて、世界的に著名な建築家のマイケル・グレイブス氏を講師に招き、「第1回 アイカ現代建築セミナー」を開催。有力設計者を多数招待しました。講師と交流できる前夜祭も同時開催し、パーティー会場ではアイカ製品に対するヒアリングを行いました。ニーズが把握でき、セミナーも大盛況に終わりました。なお、アイカの知名度を一気に向上させた「アイカ現代建築セミナー」は、その後も現在に至るまで定期的に開催しています。
知名度向上とともに、製品ラインナップの魅力向上に努めました。当時、柄物より単色に対する要望が増えていた一方、メラミン化粧板各社は対応が遅れていました。そこで、タイルのカラー開発で評判が高かったデザイナーをコンサルタントに招き、単色のラインナップ刷新に取り組みました。当時のトレンドを反映させ、600色にも及ぶカラーを選定。その中から、1984年2月にベーシックカラー75色を、さらに同年6月に原色系を中心とする30色を発売しました。各社の単色のラインナップが50色程度だった中、倍の105色を取り揃えるとともに、微妙な色の変化を明確に区別しながらキレイなグラデーションで配列したサンプル帳「アイカカラーシステムメラミン105」を発表。105色の体系化された製品は画期的であり、塗装など化粧板以外の素材の色見本としても用いられる、業界のスタンダードとなっていきました。これにより、アイカのメラミン化粧板は、国内シェアNo.1に躍り出ました。
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「第1回 アイカ現代建築セミナー」のポスター(左)と講演の様子(右)
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「アイカカラーシステムメラミン105」
メラミン化粧板にも化学の力
メラミン化粧板は、原材料のうち約半分が紙、もう半分が樹脂の、化学技術を活かした建築素材です。日本では1950年代から使われ続けており、基本的な構造に大きな変化はありません。そのような中、「硬くて水に強い丈夫な表面材」というメラミン化粧板の最大の特徴はそのままに、化学の力でさまざまな機能を加え、付加価値の高い製品を生み出し続けていることが、アイカが不動の国内No.1メーカーであり続ける理由です。
例えば、“不燃”性能。大規模な建物や多くの人が利用する建物では、万一の火災時に非難する経路・時間を確保するために、不燃認定を受けた燃えにくい建材を使うことが建築基準法で定められています。壁面用の「セラール」を1989年に、家具・什器用の「フレアテクト」を2012年に発売しました。また、メラミン化粧板は飲食店のテーブルなどでもよく使われますが、指紋の汚れが目立ち、拭きとりにくいという声が聞かれました。そこで2008年に発売したのが、“指紋レス”性能をつけた「セルサス」※です。他にも、清潔志向・衛生意識の高まりに対応し、1994年に“抗菌”性能を、2019年に“抗ウイルス”性能をつけた化粧板を発売するなど、時代のニーズを踏まえたアップデートを重ねています。
※指紋レスは、指紋が目立ちにくい性能です。
そして、建築素材を取り付ける際は接着剤が用いられますが、素材や下地の性質によって、使用すべき接着剤は異なります。適切な接着剤を使用しなければ、途中ではがれてしまうなど不良にもつながりかねません。このような場面でも、接着剤を祖業とするアイカ工業は強みを発揮します。しっかりと接着させるのはもちろんのこと、塗りやすさや貼りやすさなど、使い勝手も考慮しながら専用の接着剤や工法を開発しています。
メラミン不燃化粧板「セラール」がキッチンパネルの国内シェアNo.1を獲得し、住宅以外の建築物でも広く使われるようになった背景には、接着剤メーカーならではのアプローチがありました。
1990年代前半まで、住宅キッチンの壁面はタイル貼りが主流でしたが、目地に油汚れなどがたまりやすく掃除がしにくかったことから、パネル材に切り替わっていきました。この流れの中で、キッチンパネルとして「セラール」の市場認知度が向上し、販売量が拡大していきます。キッチンパネルの普及とともに、タイルからパネルに貼り替えるリフォームのニーズが高まりを見せた頃には、既存のタイル壁を壊さずに「セラール」を上から重ね貼りする「セラールONタイル工法」も開発しました。同様のリフォーム需要から、浴室向けの改修工法も確立し、ビジネスを拡大させていきました。
ところが、飛躍を遂げる一方で、接着不良のクレームや他の素材に比べて施工しにくいという課題が発生しました。「セラール」は素材として新しく、相性の良い接着剤が無かったことが要因でした。そこで、化粧板開発者と接着剤開発者がタッグを組み、試行錯誤を繰り返しながら専用接着剤と施工方法を開発。施工クレームを激減させ、売上を大きく伸ばしていきました。
専用接着剤の開発は、リフォーム工法の進化にもつながりました。耐久性や意匠性など「セラール」の良さが設計者に広く知られ、駅や病院の壁面に使われたり、「セラールONタイル工法」で学校のトイレが改修されたりと、住宅に限らず用途が大きく広がりました。
異なる素材も同じ柄で揃う
内装空間は、多種多様な素材で仕上げられています。固いものが当たり傷がつきやすいところには、丈夫なメラミン化粧板。壁面には、万一の火災の際に延焼を抑え避難経路を確保するための不燃化粧板。柱や金属製のドア、複雑な形状のところには、加工の自由度が高いシート状の化粧フィルム。高い耐久性が不要なところには、コストパフォーマンスに優れた化粧ボード。用途や必要な性能を考慮しながら、最適な素材が選定されています。
加えて、飲食店のテーブルや商業施設の陳列棚は、木工業者・家具職人が製作します。受付カウンターや洗面カウンター、トイレブースは、各メーカーが製造します。床・壁・天井は、内装業者が仕上げます。多くの専門業者・職人が分担しながら、ひとつの空間がつくられていきます。
そのような中、アイカでは機能の異なる素材を同じ柄でラインナップしています。各製品の品番には色柄を指す4~5桁の番号を入れており、この番号を揃えることで、簡単にトータルコーディネートができます。2019年には非住宅の床市場に新規参入し、トータルコーディネートできる範囲を拡大させています。
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壁面・天井に化粧フィルム「オルティノ」、カウンター下部の側面にメラミン化粧板、床に「メラミンタイル」。柄を揃えることで統一感ある空間に。
日本全国に素早くお届けできる販売網
デザインや機能がどれほど優れていても、それだけでは商品は売れていきません。日本全国に素早く製品をお届けすることができる販売網も、アイカの強みのひとつです。
販売代理店で「アイカ会」を構成し、事業方針や新商品情報を共有しています。アイカ会会員企業は、単にアイカ製品を在庫し、ユーザーの元にお届けするのではなく、豊富な専門知識をもってアイカ製品の普及・販売活動を行っています。アイカ製品が施工される内装仕上げ工事は、建築工事の中でも終盤に行われるため、タイトスケジュールになりがちですが、国内約300社の販売代理店によって構成されるアイカ会があるからこそ、「このデザインの化粧板がすぐに欲しい」といった要望にも、全国で応えることが可能なのです。
アイカの業績を牽引
アイカのメラミン化粧板は、以上のような強みをもちます。さまざまな付加価値は業界でも認められているため利益率の高い製品となっており、アイカの業績を牽引する存在です。これからも、市場の声に耳を傾け、ニーズにあった製品を開発することで、「空間デザインメーカー」として成長を続けていきます。