コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

アイカグループは、国内外グループ各社の「コーポレート・ガバナンスの強化」を通じて、企業価値および株主共同の利益の確保・向上を図りたいと考えています。
当社は2020年6月より監査等委員会設置会社を選択しています。監査等委員の過半数が社外取締役で構成される監査等委員会が、業務執行の適法性および妥当性の監査・監督を担うことで、より透明性の高い経営を実現し、一層のコーポレート・ガバナンスの強化を図るとともに、国内外のステークホルダーの期待により的確に応えうる体制の構築を目指します。

企業統治の体制および内部統制の仕組み(2023年6月23日現在)

  • 企業統治の体制および内部統制の仕組みの図

コーポレートガバナンス強化のあゆみ

  • 企業統治の体制および内部統制の仕組みの図

取締役会の実効性

当社では、取締役会の実効性を検証すべく、毎年すべての取締役(監査等委員である取締役を含む)に対して取締役会の構成、運営および議題ならびに取締役会を支える体制に関するアンケートを実施し、それらの結果に基づき、取締役会の実効性について評価を行っています。
2023年2月実施のアンケート結果は、前年同様、課題(3名以上の取締役が「不十分/不適切」と回答した項目)はなく、2項目を除いた項目において「適切または一応適切」の回答が得られ、当社の取締役会は適切に機能しており、取締役会の実効性は確保されていることを確認しました。一方、2021年に課題として挙げられた下表の2項目について、2022年、2023年も各1名の取締役より「不十分/不適切」との回答があり、引き続き改善策を講じてまいります。

2021年度に課題として挙げられた項目と対策

課題改善内容
取締役会資料の用語説明、過去からの経緯、過去の付議内容、重要案件の事前説明および事前検討時間の確保 用語解説、過去からの経緯および付議内容の説明、重要案件の事前説明を実施
取締役会における経営陣幹部の選任・解任についての議論 ガバナンス委員会および取締役会で経営陣幹部の選任・解任の理由の説明、審議のさらなる充実のほか、選任の際には、経営陣幹部候補者の人柄や人物像が社外取締役に分かるように、事前に重要会議等での発表の機会を設定

ガバナンス委員会

2016年4月より取締役会の任意の諮問委員会として、社外取締役(4名うち2名は監査等委員である取締役)を主な構成員とする「ガバナンス委員会」を設置し、 経営陣の指名・報酬を含めたガバナンスに関わる重要事項を審議し、企業の持続的な成長と統治機能のさらなる充実を目指しています。2022年度(123期)は、6回開催しました。監査等委員会設置会社への移行に伴い、監査等委員会とガバナンス委員会の内容重複がないこと、また、監査等委員会による意見陳述権行使のため、ガバナンス委員会での審議内容を監査等委員会でも共有することで両委員会の役割分担を図っています。

内部統制活動

アイカグループは、会社法に従い、取締役会で「内部統制システム構築の基本方針」を決議し、取締役会の監督機能、リスク管理体制、コンプライアンスの実効性を高めるための仕組みづくりなどの強化を図っています。内部監査室が監査活動や関係部署へのヒアリングを通じてこれらの整備・運用状況を把握し、内部統制システムが有効であることを確認しています。また、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制報告制度に対応するため、「内部統制委員会」を設置し、その仕組みが適正に機能することを継続的に評価することにより、財務報告の信頼性の維持・向上を図っています。
毎年、内部統制委員会にて金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の整備・運用状況の報告、およびこれに基づく内部統制報告の承認、ならびに当期の活動計画の承認を得ています。

取締役報酬

当社取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く)の報酬は、固定報酬である「月額基本報酬」と、業績に応じて変動する「業績連動報酬」および「株式報酬」で構成されています。また、監査等委員である取締役および社外取締役の報酬は、その役割と独立性の観点から、月額基本報酬のみで構成されています。取締役の報酬額は、「第123回定時株主総会招集ご通知」をご参照ください。

基本報酬

取締役の基本報酬は月例の定額報酬であり、役職ごとの基準額をベースに、外部公表されている他社の水準や会社の業績等を勘案し決定しています。

業績連動報酬

取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く)に対する業績連動報酬は、各事業年度の業績が確定した時点で、個別評価(S、A、B、C、Dの5段階)し、役職ごとの基準額をベースに個別報酬を決定し年1回支給しています。個別評価は、連結・個別の売上高・利益(営業利益等)の伸び率、期首予算に対する達成率、担当業務の評価、中期経営計画進捗状況などを勘案し決定しています。当該指標を選択した理由は、事業年度ごとの業績向上に対する意識を高めるために最も適切な指標であると判断したためです。また、業績連動報酬の報酬総額に対する構成比率は15%から20%を目安に役割、役職、役位に応じて決定しています。なお、業績連動報酬の報酬総額に対する2022年度における構成比率は、上記指標の達成状況を総合的に勘案し13.8%となっています。

株式報酬

取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く)に対する株式報酬については、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主の皆さまとの一層の価値共有を進めることを目的に、年1回、役職ごとの基準額をベースに会社の業績等を勘案して対象取締役に付与しています。株式報酬は譲渡制限付株式とし、役職ごとの基準額をベースに会社の業績等を勘案し決定します。

<取締役の評価>
取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く)の個別評価は、代表取締役会長 小野勇治が行い、ガバナンス委員会において個別評価を含む報酬額水準の妥当性を確認しています。代表取締役会長の評価は、ガバナンス委員会において報告され評価プロセスや評価に対する考え方を確認することで、客観性や公正性を担保しています。

<役員報酬の決定方法>
取締役の報酬については、株主総会の決議により決定された報酬総額の上限額の範囲内で、取締役会の授権を受けた代表取締役会長 小野勇治が上記算定方法に則り決定しています。授権した理由は業務全般を把握している代表取締役会長に授権することが合理的と考えられるからです。

<役員の報酬等の額の決定過程における活動内容>
役員の報酬等の決定過程においては、社外取締役を中心に構成されるガバナンス委員会において会社業績と担当業務業績との割合や評価ランクと増減率との関係等について、成果および責任、客観性、透明性を高めるため意見交換を行っています。

従業員向け株式給付信託(J-ESOP)の導入

2021年より、従業員のインセンティブプランの一環として従業員に当社の株式を給付し、その価値を処遇に反映する従業員向け報酬制度のESOP(Employee Stock Ownership Plan)を導入しました。本制度の導入により、従業員の帰属意識が醸成されることに加え、株価上昇および業績向上に対する従業員の関心が高まることで、これまで以上に意欲的に業務に取り組むことが期待できます。

海外グループ会社のガバナンス強化

当社は、ここ10年余りの間に、M&Aなどを通じてアジアを中心に事業領域を拡大し、40を超える海外連結子会社を有する状況になりました。それぞれの国が法的・文化的・経済的に固有な環境を持っている中、アイカグループ全体のガバナンスフレームを構築するため、2020年度より「海外グループガバナンス委員会」を設置しています。
本委員会は、海外企画部・法務部・内部監査室・財務統括部・人事部・品質保証部・サステナビリティ推進部・経営企画部・情報システム部・開発企画室・海外事業統括会社が参加しており、重要度の高いテーマに対し、具体的なアクションプランを策定し、PDCAを展開しています。
本委員会が主体となって、事業のリスク管理を行うとともに、法令・規制の遵守のみならず倫理的な事業運営や社会的責任を果たすための管理体制の強化を進めています。今後も、アイカ工業㈱、海外事業統括会社、海外グループ各社が連携し、アイカグループの一体感の醸成を図るとともに、アイカグループガバナンス体制の向上に努めます。

海外グループガバナンス委員会 2022年度における取り組み