サステナビリティに関する方針と体制
サステナビリティに対する基本姿勢
企業に求められる社会的責任を果たし、当社のみならず地球全体の持続可能性を高める活動を推進することは、当社の使命と認識しています。当社は、2021年4月に策定したサステナビリティ方針において、サステナビリティ経営に関わる基本理念や方針を示しています。この方針を経営方針と同列に据え、グループ共通の価値観の醸成を図っています。
サステナビリティ方針
- 事業活動を通じて社会課題の解決に取り組み、より良い社会づくりに貢献します。
- 行動規範の基本原則を、法令遵守、人権尊重、社会との調和、公平・公正な取引、お客さまの安心と信頼、適正な情報開示、会社情報および財産の保護、環境および安全、と定め、グループ従業員共通の価値観として行動します。
- 顧客、従業員、株主、サプライヤーおよび取引先、地域社会および行政など、ステークホルダーとの対話を重視し、社会の要請と変化に迅速に対応します。
- ステークホルダーと会社経営の双方の視点で重要課題を特定し、事業活動と一体で課題解決に取り組むとともにその進捗状況を開示します。
サステナビリティ推進体制
サステナビリティをより深化させるための推進母体として「サステナビリティ推進委員会」を設置し、事業活動と融合したマテリアリティ目標の達成に向けてアイカグループ全体で取り組んでいます。2024年4月より体制を一部変更し、サステナビリティ推進委員会の内部に5つの分科会を設けて推進力を強化するとともに、取締役も参加する「サステナビリティ推進会議」を設置し、監督機能を強化しました。サステナビリティ推進会議にはグループ各社の代表者も参加し、マテリアリティに対して設定している目標の達成に向けた議論を行っています。
具体的なマテリアリティについてはこちらをご覧ください。
サステナビリティ推進体制図
分科会・一部委員会の主な役割と主管部門
| 組織名称 | テーマ | 主幹部門 |
|---|---|---|
| 気候変動問題対応分科会 | 温室効果ガス排出量の抜本的な削減策の検討・実行 | サステナビリティ推進部 |
| 人的資本分科会 | 中期経営計画で重点施策として掲げた「人材育成」「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」「エンゲージメント」を軸とした、人材戦略の検討・実行(ダイバーシティ推進プロジェクト、働き方改革プロジェクトを吸収) | 人事部 |
| リスク評価分科会 | リスクの分類・分析、リスク評価会議運営(リスク評価会議事務局が担ってきた役割を分科会に移管) | 経営企画部・サステナビリティ推進部 |
| 人権・サプライチェーン分科会 | 人権に関連する社会要請への対応検討・実行 ( 人権デューデリジェンスの構築・実行、紛争鉱物調達方針・木材の持続可能性証明手法の検討 ) | 法務部・調達部 |
| BCP 分科会 | 大規模災害やサイバー攻撃などに対する BCP 計画の策定・見直し、訓練の実施(BCP 委員会を分科会として移設) | サステナビリティ推進部 |
| QEO委員会 | 品質マネジメントシステム(Q:ISO9001)、環境マネジメントシステム(E:ISO14001)、労働安全衛生マネジメントシステム(O:ISO45001)を三位一体で運用する「QEOマネジメントシステム」に基づいた方針・目標の策定と進捗管理 | 品質保証部・サステナビリティ推進部 |
事業活動とサステナビリティの一体化に向けて
アイカグループは、経営理念の中心に「共生」の言葉を据えており、その理念を体現すべくさまざまな社会課題の解決に取り組んできました。この思想は国連グローバル・コンパクトの「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野からなる自主行動原則に通じるものであるとの認識から、2018年に支持を表明しました。また、この表明により、国連が採択した「持続的な開発目標(SDGs)」に積極的に取り組むことを約束し、目標達成を目指した活動を開始しました。当社は、SDGsをはじめとしたさまざまな社会課題を考慮した上で、取り組むべき課題をマテリアリティとして特定しています。マテリアリティのそれぞれの項目に対して目標を設定し、それを中期経営計画に組み込むことで、事業活動とサステナビリティ推進活動の一体化を図っています。
国連グローバル・コンパクト詳細は、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンホームページをご覧ください。
サステナビリティ関連指標の取締役報酬評価指標への組み入れ
サステナビリティへの取り組みを加速させるインセンティブとして、気候変動および人的資本に関する指標を取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く)の業績連動報酬の定量的評価指標として組み入れました。採用した指標は、温室効果ガス削減率およびエンゲージメントスコアです。今後も、より効果的な指標の採用を継続して検討し、持続的な成長と企業価値向上につながる仕組みを強化していきます。
サステナビリティ推進会議
前述の通り、2024年度より新たに「サステナビリティ推進会議」を設置しています。2024年度は9月と3月の2回開催し、アイカ工業㈱および国内外グループ会社から約40名が参加しました。各分科会からの発表内容に対し、社長執行役員をはじめとした取締役やグループ各社の代表者からも活発に発言が行われ、マテリアリティ目標の達成に向けた共通認識を醸成する場となりました。今後もこの会議を継続し、グループ全体のサステナビリティ活動を着実に推進し、サステナビリティ経営の実践を加速していきます。
QEOマネジメントシステム
当社は、品質マネジメントシステム(Q:ISO9001)、環境マネジメントシステム(E:ISO14001)、労働安全衛生マネジメントシステム(O:ISO45001)を三位一体で運用する「QEOマネジメントシステム」を構築し、生産部門・研究開発部門・販売部門・管理部門が一体となって取り組んできました。この仕組みは、当社の経営基盤強化活動の主軸であり、アイカ10年ビジョンにも施策の1つとして組み込んでいます。本マネジメントシステムの運用により、法令遵守はもちろんのこと、リスクヘッジや改善活動を行い、品質の向上、環境指標の改善(温室効果ガス・産業廃棄物の削減、水の管理強化など)、安全で快適な職場環境作りを推進し、リスクと機会の両面から経営基盤強化を図っています。推進母体として、品質保証部・サステナビリティ推進部が主管を務める「QEO委員会」を設置し、本マネジメントシステムに基づき策定した方針と目標の達成に向けて活動しています。QEO各項目の実績・改善状況の確認や、事例共有などを目的に、アイカ工業㈱経営陣および国内外グループ各社の代表者が参加する「QEOグループ代表者会議」を半期に一度開催してきましたが、2024年度からは「サステナビリティ推進会議」がその機能を包含することとし、本会議でグループ一体となった活動を推進しています。
品質・環境・労働安全衛生の理念および方針
ISO監査の実施
品質ISO9001(初回取得:1997年12月)・環境ISO14001(初回取得:1999年9月)・労働安全衛生ISO45001(OHSAS18001初回取得:2001年8月)の外部および内部監査を下記のように継続的に行っています。
| 外部審査(第三者 認証機関による) | 1回/年 |
|---|---|
| 内部審査(第二者 自部門以外の内部監査員による) | 1回/年 |
連結生産拠点における認証取得状況
(2025年3月末現在)
| 総拠点数※ | ISO9001 品質 | ISO14001 環境 | ISO45001 労働安全衛生 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 認証取得 拠点数 | 取得率 | 認証取得 拠点数 | 取得率 | 認証取得 拠点数 | 取得率 | ||
| 国内 | 15 | 14 | 93.3% | 11 | 73.3% | 11 | 73.3% |
| 海外 | 33 | 30 | 90.9% | 29 | 87.9% | 25 | 75.8% |
| グループ計 | 48 | 44 | 91.7% | 40 | 83.3% | 36 | 75.0% |
※ 非連結拠点は除く