トップメッセージ

代表取締役 社長執行役員

多くの方々に価値を認めていただける商品を提供し、
当社のみならず社会のサステナビリティが高まることを
目指してまいります。

当社は、「共生の理念のもと、たえざる革新により新しい価値を創造し、社会に貢献する」ことを経営理念とし、この理念を体現すべく事業活動を通じてさまざまな社会課題解決に取り組み、ステークホルダーの皆さまとともに発展してきました。

当社グループを取り巻く経営環境は、めまぐるしく変化し複雑化しています。このような時代を生き抜くためにも、ESGを中心としたサステナビリティに関する取り組みはますます重要度を増しています。持続可能な社会の実現に向けて、ステークホルダーの皆さまと積極的に対話し、現在取り組んでいるマテリアリティの目標を着実に実行することは企業としての責任であり、当社の企業価値を向上する上で必要不可欠な要素であると考えています。

これからもサステナビリティを重視した経営を推進し、豊かな社会の形成に貢献するとともに、変化に強い、よりサステナブルな企業となることを目指してまいります。そして、アイカグループを、従業員にとっては"誇れる会社"に、お客さまや株主にとっては"なくてはならない、かけがえのない会社"にしたいと考えています。

現中期経営計画におけるマテリアリティに対する取り組み

7つのマテリアリティ(重要課題)を掲げて取り組みを進めていますが、現中期経営計画で特に注力している「気候変動対応」と「人的資本経営の基盤構築」について、触れていきたいと思います。

現中期経営計画マテリアテリティ

→マテリアテリティの詳細はこちらをご覧ください。

気候変動対応

2023年度の温室効果ガス排出量は2022年度比で1.8%の削減にとどまりました。日本国内の生産拠点で購入電力の40%程度を再生可能エネルギーに切り替えるなどの策を講じましたが、十分な削減には至りませんでした。太陽光発電設備導入拠点を増加させるなど、削減の加速に向けた策を講じ、目標達成に向けて投資を促進します。
機会獲得に向けては、バイオマス原料やリサイクル材を活用した商品の開発が進んでおり、2023年度はこれらの特長を持つメラミン化粧板を発表することができました。気候変動に対応した商品の開発意識は高まっており、確実に進展しています。今後市場のニーズが高まればさらに活性化し、収益につながることを期待しています。商品単位のカーボンフットプリントの低減に向けては、新しいアイテムも検討していく必要があると考えています。

人的資本経営の基盤構築

中期経営計画に人的資本投資額の目標を掲げ、2023年度は特に人材育成を強化してきました。財産である従業員の価値を高めることに、今後もしっかり資本を投下していきたいと思います。
従業員あってこその会社ですので、従業員の生活を保障するためにも、物価上昇に応じた賃金の引き上げや、ライフイベントに応じて働き続けられる環境を提供することが会社の使命だと考えています。従業員一人ひとりの人生プランを少しでもくみ取れるよう、キャリア面談を開始しました。会社と従業員双方にとって最良な人材配置となるよう、キャリア面談で得られた情報を活用していくことで、働きやすい環境を整える一助になると考えています。また、シニア人材のさらなる活用に向けて、処遇の改善および定年年齢を段階的に引き上げることを決議しました。アイカで働くことに魅力を感じ、誇りを持って働いてもらえるように今後も環境整備に努めていきます。

経営指標(非財務)

資本政策

当社は、「財務健全性の維持」、「資本効率の向上」、「株主還元の重視」、この3つのバランスを取りつつ、グループ資本配分を最適化し、企業価値の向上を目指す資本政策を掲げています。2023年度の実績としては、収益性の大幅な改善により営業キャッシュ・フローおよびフリー・キャッシュ・フローが大きく増加したこと、利益率の改善からROE・ROICが向上し、株主資本コストやWACCとのスプレッドが拡大したこと、堅実な経営が評価され、格付がAからA+に引き上げられたことが主なものとして挙げられます。
ROICの実装はまだ道半ばですが、まずはROICの意義や必要性について理解し、意識付けすることが重要だと考えています。アイカ工業㈱においては、部門の評価指標にROICツリーの項目を落とし込みました。来年にはグループ会社へも展開できるよう進めています。今後は、改善するためにどのような活動が必要なのかを整理した上で、個社別の目標を設定し、設備投資や商品ポートフォリオを検討する際の1つの指標として役立てていきたいと考えています。
また、2024年9月に、株主層の裾野の拡大および多様化、当社株式の流動性の向上を図るべく、当社株式の売出しを決定しました。同時に、当社株式需給への短期的な影響を緩和しつつ、株主の皆さまへの利益還元の充実、資本効率の向上を図るべく、自己株式の取得を行うことを決定しました。今後も、機動的な自己株式取得や業績に応じた累進配当などを通じて資本効率の一層の向上を図り、長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

SDGsへの貢献

当社グループは、経営理念に「アイカグループは共生の理念のもと、たえざる革新により新しい価値を創造し、社会に貢献してまいります」と掲げており、これを体現することに主眼を置いて事業活動を行っています。「SDGs貢献商品」は、2021年に、当時発売していた商品を対象に特定しました。お客様のニーズを汲み取って商品を開発するという文化が脈々と受け継がれてきたため、社会課題解決につながる商品をすでにたくさん持っていることに改めて気付くことができました。前述の通り、社会課題の解決につながる商品を開発・拡販していくことは今後の当社グループの成長に欠かせない要素であると考えており、「SDGs貢献商品」の中から特に成長を見込む商品を「AS商品」として特定し、売上目標を中期経営計画に組み込んでいます。
今後も、当社のお取引先様や施工会社様、実際に商品を使用するお施主様のお困りごとを解決したり、より快適にご使用いただけるよう工夫したりすることで、多くの方々に価値を認めていただける商品を提供し、当社のみならず社会のサステナビリティが高まることを目指してまいります。

→SDGs貢献商品の詳細はこちらをご覧ください。