トップメッセージ
代表取締役 社長執行役員![]()
企業体質のさらなる強靭化と、
海外事業の成長加速により、
持続的な企業価値向上を図るとともに、
より良い社会の構築に貢献してまいります。
当社は、「共生の理念のもと、たえざる革新により新しい価値を創造し、社会に貢献する」ことを経営理念とし、この理念を体現すべく事業活動を通じてさまざまな社会課題解決に取り組み、ステークホルダーの皆さまとともに発展してきました。
当社グループを取り巻く経営環境は、めまぐるしく変化し複雑化しています。このような時代を生き抜くためにも、ESGを中心としたサステナビリティに関する取り組みはますます重要度を増しています。持続可能な社会の実現に向けて、ステークホルダーの皆さまと積極的に対話し、現在取り組んでいるマテリアリティの目標を着実に実行することは企業としての責任であり、当社の企業価値を向上する上で必要不可欠な要素であると考えています。
これからもサステナビリティを重視した経営を推進し、豊かな社会の形成に貢献するとともに、変化に強い、よりサステナブルな企業となることを目指してまいります。そして、アイカグループを、従業員にとっては"誇れる会社"に、お客さまや株主にとっては"なくてはならない、かけがえのない会社"にしたいと考えています。
現中期経営計画におけるマテリアリティに対する取り組み
中期経営計画では7つのマテリアリティを掲げて取り組みを進めていますが、特に注力している「気候変動対応」と「人的資本経営の基盤構築」について触れていきたいと思います。
現中期経営計画マテリアテリティ
→マテリアテリティの詳細はこちらをご覧ください。
気候変動対応
気候変動は、グローバル社会が直面する喫緊の課題であり、当社もその解決に向けて着々と取り組みを進めています。当社の2024年度における温室効果ガス排出量(スコープ1+2)は、2022年度比で8.6%削減を達成しました。省エネルギー活動の推進、再生可能エネルギーの活用拡大などの具体的な施策を、海外も含めたグループ全体に展開した結果、年度目標の5%を上回る削減を実現することができました。順調に削減が進んでいることに加え、社内の削減意識も高まったことから、2030年度の温室効果ガス削減目標を従来の2022年度比30%削減から、「1.5℃目標」に整合する水準である42%削減へと引き上げました。気候変動への対応は、事業活動におけるリスクを低減するだけでなく、新たな技術や商品の開発、これらを用いた市場開拓など、事業機会を創出する重要な取り組みでもあります。今後も環境負荷の少ない商品や、CO₂排出量の削減に資する商品の開発を行い、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
温室効果ガス排出量(スコープ1+2)実績推移と目標
人的資本経営の基盤構築
私は社長に就任して以来、人的資本経営を最も重要な施策の一つとして位置付け、その基盤構築に力を入れています。従業員一人ひとりが能力を継続的に高め、その能力を最大限に発揮できる環境を整えることが、当社の持続可能な成長と企業価値向上に不可欠であると確信しています。
コロナ禍を経て、改めてコミュニケーションの重要性を痛感し、2023年度にキャリア面談制度を導入しました。上司と部下が1対1で対話する中で個人のキャリアプランや成長課題を共
有し、目標設定と能力開発を促進しています。また、語学や専門スキル習得を目的とした研修を充実させ、当社の事業成長に貢献する人材の育成にも注力しています。これらの取り組みはまだ発展途上ではありますが、従業員が「この会社で働き続けたい」と思える魅力的な企業であり続けるため、人的資本への投資をしっかりと実施していきます。
経営指標(非財務)
資本政策
当社は、持続的な企業価値向上を経営の最重要課題と位置付けており、成長投資と株主還元の最適なバランスを追求しています。
成長投資については、国内事業では競争優位性を高めるための設備投資を、海外事業では需要の強い国での事業拡大やM&Aを進めていきます。株主還元については、安定的な配当を基本としつつ、事業の成長段階や財務状況、そして外部環境の変化に応じて、自社株買いなども含めた最適な還元策を柔軟に検討します。ステークホルダーの皆さまとの対話を重視し、いただいたご意見を真摯に受け止めながら、より魅力的な資本政策を継続的に実現していきます。株主の皆さまの中には、当社の株式を長期で保有いただいている方々も多く、非常にありがたいことと感謝しています。お預かりした大切な資本を有効活用し、利益成長を実現することで、今後も企業価値向上に努めます。
中期経営計画最終年度、そして次の10年ビジョンへ
現中期経営計画の最終年度である来年度(2026年度)は、創立90周年という節目の年でもあり、その先の10年を見据えた新たなビジョンの基盤を築く、きわめて重要な年です。まずは、中期経営計画で掲げる目標を達成するために、アイカグループ一丸となって取り組み、次の10年ビジョン策定に向けては、世の中の要請に沿った次世代を担う商品の開発やそのための設備投資をしっかり考えていきます。国際情勢の不透明感や経済の不確実性により、事業環境は依然として厳しい状況が続いていますが、海外市場で確固たる地位を築き、アイカグループの今後の成長を確実なものにしていきたいと考えています。
2026年度に向けて、当社はこれまで培ってきた技術力と信頼を礎に、国内外のさまざまな課題に挑戦し、社会に貢献する新たな価値創造を目指して邁進していきます。