スマートフォン・タブレットPCのカバーガラスを直接コートする飛散防止樹脂 アイカアイトロンZ-931を開発

  • 機能材料

No.114F09

2013年11月11日

アイカ工業株式会社(代表取締役社長:小野勇治 本社:愛知県清須市西堀江2288番地 資本金:98億9,170万円)は、スマートフォン・タブレットPCのカバーガラスに直接コートできる飛散防止樹脂「アイカアイトロンZ-931」を開発し、サンプル出荷を開始しました。

 

【発売の背景】

スマートフォンやタブレットPCは、機能性と意匠性を高める目的で、最表面にガラスを使用するケースが多く、ガラスの飛散防止を目的として裏側に飛散防止フィルム(ASF)が貼られている。

しかし、ASFはPETフィルム上に、ハードコート、粘着処理、離型PET貼合といった処理を施した後、離型PETを剥がしてガラスに貼るため、部材コストが高く工程が長いことが課題であった。また近年、スマートフォンの薄型化が進んでおり、カバーガラスに直接電極を形成するOGSなど、層を減らす動きが進んでいる。

そこで当社は、ガラスに直接コートすることで飛散防止性能を高めることが出来る、飛散防止樹脂(ASR)「アイカアイトロンZ-931」を開発した。ASRは工程を短くすることができるだけでなく、薄膜化も可能であるため、今後のトレンドとなることが期待される。

 

【製品の特徴】

ASRはASFと比較して、以下の優位性がある。

  • ガラスに黒枠印刷した後に、同一工程で積層することが出来る。
  • PETフィルムや粘着層がなく単層の薄膜であるため、ASFよりも透明性が高い。
  • 直接カバーガラスにコートするため、粘着層の段差吸収といった問題がない。
  • 数10μmの薄膜で飛散防止性能が発現するため、スマートフォンの薄型化が可能となる。
  • ASFの貼合装置や脱泡装置が不要で、既存の印刷設備のみで使用できる。
  • PETフィルムを使用しないため、複屈折が少なく光学干渉を起こしにくい。
  • 工程を短縮出来るため、エネルギー、有機溶剤、廃プラの削減に貢献できる。
  • 専用溶剤を使用することで、解体・リワークが可能。

なお、ASRは硬化後にタックフリーとなるため、ASF同様に、印刷、OCR、OCAテープの積層も可能です。

 

【製造工程の比較】 

リリース20131111.jpg

 

【製品概要】

□商品名  :アイカアイトロンZ-931

□サンプル出荷開始  :2013年11月

□価格  :5,000円/㎏~

 

【初年度販売目標】 1億円

 

(ご参考)

ASF:Anti-shatter Film(飛散防止フィルム)

ASR:Anti-shatter Resin(飛散防止樹脂)

PET:Polyethylene terephthalate(ポリエチレンテレフタレート)

OGS:One glass solution (タッチパネル・カバーガラス一体型)

OCR:Optical clear resin(光学透明樹脂)

OCAテープ:Optical clear adhesive tape (光学透明両面粘着テープ)

 

以上

 

注)このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、
発表日現在の情報です。予告なしに変更され、ご覧になった時点で内容が異なる可能性もありますので、あらかじめ
ご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、事業所一覧をご覧下さい。
 
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