- 化粧板
No.123M59
2023年2月22日
メラミン化粧板でバイオマス度75%を実現
100%化を目指し、さらにサステナブルな建築素材へ
アイカ工業株式会社(代表取締役 社長執行役員:海老原健治 本社:愛知県名古屋市中村区)は、バイオマス度75%のメラミン化粧板を開発しました。とうもろこしの芯由来の非可食性バイオマス原料であるフラン樹脂を使用しています。今後、量産化に向けたスケールアップを行っていきます。
開発の背景
SDGs(持続可能な開発目標)が社会に浸透し、さまざまな場面で取り組みが進められる中、お客さまからも地球環境に配慮した製品に対するご要望が増加しています。樹脂製品を扱う当社としても、化石由来原料から持続可能な資源への転換を図り、バイオマス(生物由来資源)を活用した製品の開発に取り組んでいます。
当社の主力製品であるメラミン化粧板は、家具・什器・パーティションの表面材として広く使用されている建築素材です。原材料の50%程度が紙であることから、バイオマス原料を利活用する製品として一般社団法人日本有機資源協会のバイオマスマーク(バイオマス度50%)を2013年3月に取得しています。2022年1月には、より地球環境にやさしい製品へと進化させるべく、植物由来の未活用資源であるリグニンとフェノール樹脂を組み合わせた「リグニンフェノール樹脂」を原料の一部に使用した、バイオマス度60%のメラミン化粧板を開発しました。
バイオマス度のさらなる向上に向けて開発を進める中、コア層(強度保持層)の原料として使用するフェノール樹脂を、とうもろこし由来のバイオマス原料であるフラン樹脂に置き換える技術を確立しました。これによりバイオマス度は75%となり、化石由来原料を従来のメラミン化粧板より50%削減しています※1。なお、フラン樹脂はとうもろこしの芯由来の非可食なバイオマス原料であり、食糧供給と競合しません。また、当社の切り替え可能な全製品に本技術を展開すると、製品廃棄時に発生するCO2を約3,200t/年、削減することが見込め※2、これを杉の木が1年間で吸収するCO2量に換算すると約23万本分に相当します※3。
このたび開発したバイオマス度75%のメラミン化粧板は、2月28日より4日間開催される国内最大級の店舗総合見本市「JAPAN SHOP 2023」に参考出品予定です。引き続き、メラミン化粧板国内シェアNo.1メーカーとしての責務を果たすべく、量産化に向けたスケールアップなどさらに開発を進めるとともに、100%バイオマス化したメラミン化粧板の実現を目指します。当社は今後も、サステナブル素材を使用した製品を開発し、SDGsの達成とサステナブルな社会の実現に貢献してまいります。
※1:特許出願中です。また、一般社団法人日本有機資源協会のバイオマスマーク(バイオマス度75%)の取得を検討中です。
※2:現時点で判明している情報を元に自社算定した数値です。
※3:環境省・林野庁作成『地球温暖化防止のための緑の吸収源対策』によると、杉の木1本(杉の木は50年杉で、高さが約20~30m)あたり、1年で平均してCO2約14kgを吸収しているとされています。
製品の特長
■バイオマス度75%
コア層(強度保持層)の原料として使用するフェノール樹脂を、とうもろこし由来のバイオマス原料であるフラン樹脂に置き換える技術を確立しました。フラン樹脂は非可食なとうもろこしの芯由来で、食糧供給と競合しません。
■メラミン化粧板の表面特性はそのまま
耐久性や意匠性の高さといった、メラミン化粧板の表面特性はそのままに、バイオマス度の向上を図っています。
メラミン化粧板とは
メラミン化粧板は、紙とメラミン樹脂、フェノール樹脂を原材料として製造した建築素材です。①豊富な色柄・仕上げ、②耐熱性・耐水性・耐摩耗性に優れた高い表面物性、③優れた加工性・施工性、といった特長があり、テーブル・家具・什器・パーティションの表面材として広く使用されている、当社の主力製品です。耐久性が高く家具・什器等の長寿命化にも寄与しており、環境負荷が低い製品であると言えます。当社は、コア技術である化学合成技術を活かし、抗ウイルス、消臭、不燃、指紋レス、スクラッチレスなど、さまざまな性能を付加することを得意としており、国内トップシェアを誇ります。
以上
注)このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、ご覧になった時点で内容が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新の情報は、 こちらよりお問い合わせください。
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