メラミン不燃化粧板の天井向け新工法「セラールFP工法」を開発

  • 不燃化粧板

No.123S40
2022年11月25日

メラミン不燃化粧板の天井向け新工法「セラールFP工法」を開発
JR東日本および同社グループと共同研究、グランスタ八重北の天井に採用

 アイカ工業株式会社(代表取締役 社長執行役員:海老原健治 本社:愛知県名古屋市中村区)は、東日本旅客鉄道株式会社、株式会社JR東日本建築設計との共同研究を経て、固定金具を見せずにメラミン不燃化粧板「セラール」を天井に乾式施工する「セラールFP工法」を開発しました。株式会社JR東日本クロスステーションが2022年8月にグランドオープンさせた東京駅八重洲北口(改札外)の飲食店街「グランスタ八重北」で採用されており、今後全国で販売していきます。

  • ▲新工法で天井にセラールが施工されているグランスタ八重北

開発の背景

 建築物の天井は、用途や規模に応じて不燃材料や準不燃材料を用いることが建築基準法で定められており、駅コンコースではスパンドレルや金属カットパネルが使用されています。また、震災時などの落下による被害を防ぐため、特に東日本大震災以降においてさまざまな施策が講じられています。東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)では、地震や経年による影響で天井材が剥がれたり落下したりしないよう、ビスやジョイナーといった金物による物理的な落下防止措置を講じることが独自に定められています。
 当社のメラミン不燃化粧板「セラール」は、スパンドレル等に比べてデザインのラインナップが豊富であり軽量な素材ですが、主に壁面材として使用されており、専用接着剤と両面テープによる施工方法を設定しています。天井に使用する場合は落下防止策としてハットジョイナーを併用することを当社としても推奨していますが、ビスやジョイナーが意匠性を損なうという課題がありました。
 そこで当社は、JR東日本、JR東日本建築設計との共同研究を経て、セラールを用いた新たな天井工法「セラールFP工法」を開発しました。固定金具を表面に露出させない納まりで接着剤と併用して固定することで、意匠性と落下防止策を両立させた工法です。2022年8月にグランドオープンした東京駅八重洲北口(改札外)の飲食店街「グランスタ八重北」で採用されており、2022年9月には、日本建築学会にて3社連名で学術発表を行っています。
 現在、サンプルワークを開始しており、2023年4月より販売を開始する予定です。耐震性・不燃性・耐熱性・耐久性・耐水性を有するとともに、デザインの選択肢を広げる新たな天井工法として、駅等のパブリックスペースを対象に提案してまいります。

「セラールFP工法」の特長

■乾式施工による深い目地の納まりが可能に
セラールFP工法は、セラールとユニット化したアルミニウム製フレームに対してビスで施工する乾式工法です。従来にない、深い目地の納まりが可能になります。

■意匠性を損なわない固定機構を開発
固定金具を表面に露出させずに物理固定する機構を開発しました。3mmという薄さにもかかわらずビスはセラールの中に埋まっており、意匠性を損ないません。なおかつ、固定機構は耐震性、耐水性を備えており、駅等での使用が可能です。

■不燃性・耐熱性・耐久性に優れる
キッチンパネルの国内シェアNo.1を誇るセラールは、不燃性・耐熱性・耐久性に優れた表面材です。

■デザインバリエーションが豊富
セラールは豊富な色柄と表面仕上げをラインナップしています。あわせて、柄と艶を同調させる繊細なグロスマット仕上げにより素材の奥行き感を表現した高意匠タイプの「セラール セレント」も使用できます。合計300柄以上をラインナップしており、空間デザインの選択肢を広げます。

  • ▲固定機構の概要

  • ▲固定金具が露出しない新工法「セラールFP工法」

  • ▲固定金具が露出する従来工法

共同研究企業の概要

■東日本旅客鉄道株式会社https://www.jreast.co.jp/
1987年設立の鉄道会社、通称:JR東日本。輸送サービス、生活サービス、IT・Suicaサービスを軸に、幅広く事業を展開しています。

■株式会社JR東日本建築設計http://www.jred.co.jp/
1989年設立のJR東日本グループの設計会社。駅、複合開発、商業施設、文化施設等の設計・デザインから、駅を中心とした新たな街の創生などを手掛けています。

■アイカ工業株式会社
1936年設立の化学メーカー。樹脂合成技術とデザイン力により、化成品、建装建材の2つのセグメントで多軸的な製品を展開しています。

グランスタ八重北での施工について

グランスタ八重北について

 「グランスタ八重北」は、株式会社JR東日本クロスステーションが2022年8月にグランドオープンさせた、東京駅八重洲北口(改札外)の飲食店街です。開業から17年が経ち、「Neutral+(ニュートラルプラス)」をコンセプトに大規模リニューアルがなされました。気負わず自然体でいられて居心地がいい、”サードプレイス(第三の居場所)”としての商業空間を目指し、木目調をベースに壁面緑化をリズミカルに設けることで、温かみのある空間が創出されています。新たにオープンした36ショップを含む全45ショップが軒を連ね、新たな賑わいを創出しています。

■施設名称 グランスタ八重北(セラールの施工場所は1階「八重北食堂」エリア コンコース)
■所在地 東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東日本東京駅構内 八重洲北口改札外
■設計 株式会社JR東日本建築設計
■施工 鉄建建設株式会社
■環境デザイン

内藤廣建築設計事務所

事業主・開発担当者のコメント

 今回の共同研究について、JR東日本クロスステーションの城田茂弘氏(共同研究時は東日本旅客鉄道に在籍)は、「コンコースなどの公共交通施設は、経年劣化だけでなく列車振動の影響も受けるため、JR東日本では独自の安全性基準を定めています。セラールはデザインも豊富で厚さも3mmと薄く、仕上げ材としては非常に良いものなのですが、その安全性基準では接着剤による仕上げ施工ができません。しかしビスやジョイナーで補助するハットジョイナーを用いると、見栄えが良くない。何とか使用できるようにならないかと模索し、共同研究に至りました。天井材に関するノウハウがアイカ工業に無く苦戦した場面もありましたが、何度も試作品を製作し、検証を重ねながらグランスタ八重北の天井材として使用することができました。従来使用してきた金属カットパネルは意匠の幅が限られていたのですが、この工法によってデザインの制限から解放されるのが嬉しいですね」と語っています。

  • ▲城田茂弘氏

事業主の概要

■株式会社JR東日本クロスステーションhttps://www.jr-cross.co.jp/
2021年設立のJR東日本グループのエキナカ事業会社。小売り、飲食、飲料、商業施設、4つのエキナカ事業により駅の価値最大化を図ります。

工法概要

■工法名 メラミン不燃化粧板金属フレーム工法「セラールFP工法」
■使用部位

駅等のパブリックスペースの天井 ※詳細は当社にお問い合わせください。

販売開始時期

 2023年4月1日(予定)

年間販売目標

 1億円

以上

注)このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、ご覧になった時点で内容が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新の情報は、 こちらよりお問い合わせください。

 

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