触感性(ソフトフィール)インサート成型用フィルム ルミアートRHC-SF02発売

  • 機能材料

No.112F10

2011年9月29日

 

アイカ工業株式会社(代表取締役社長:小野勇治 本社:愛知県清須市西堀江2288番地 資本金:98億9,170万円)は、触感性※1(ソフトフィール)インサート成型用フィルム「ルミアート®HC-SF02」を発売する。

【発売の背景】
携帯電話・ノートPCなどのプラスチック成型体への加飾※2手法の一つとして、加飾フィルムのインサート成型がある。アイカ工業では、印刷・金属蒸着など、多彩な加飾手法に対応した高成型ハードコートフィルムをラインアップし、主に需要が旺盛な中国において販売活動を行っている。今回、新たなラインアップとして従来にない、触感性を重視したインサート成型フィルムを開発し、国内外の成型・印刷メーカーへ提案を開始する。
近年は、スマートフォンのケースなどに従来のプラスチックが持つ硬質なイメージのものから、シリコンラバー材質等を用いたソフトな手触りのものへのニーズが高まっている。しかしこれらの材料は、加飾に限界があり、単純な色・デザインしか表現することできなかった。
そこで今回、アイカ工業では、自らのインサート成型用ハードコートフィルムの樹脂開発・塗工ノウハウを活かし、全く新しい触感性(ソフトフィール)インサート成型用フィルムを開発することに成功した。
 

 
【スマートフォンケースへの使用例】

【特徴】
従来、触感性を付与するには、シリコンラバーによる成型や、スプレー塗装による手法がある。シリコンラバーは材質そのもので触感性を付与するものであり、加飾や成型の制限から、その用途はスマートフォンケースなどアフターパーツに限られていた。他方、スプレー塗装は厚膜になるため、下地の加飾は濃色に限られ※3、また触感性塗膜へのテクスチャ・エンボス※4も不可能であった。また、スプレー塗装では粒径の大きいウレタンビーズ(5~20um)※5を用いて触感性を付与させていたが、インサート成型用フィルムなど薄膜塗工(1~5um)には応用が困難であった。

アイカ工業は独自の樹脂合成技術を用い、従来困難だった薄膜での触感性発現に成功した。フィルム表面に従来のハードコートとは異なりソフトな手触りの独自樹脂をコーティング、フィルム裏面は印刷や蒸着など様々な加飾に対応した。またその触感性塗膜にテクスチャを形成したフィルムでの供給も可能となり、これにより従来にない触感性ヘアライン※6などの新しいデザインが創出できることとなった。
 

 

 


【ソフトフィールヘアライン(蒸着加飾】


【製品概要】
□商品名  :ルミアートHC-SF02

□発売開始 :2011年12月

□価格    :800円~1,500円/㎡

【初年度販売目標】 1億円

<用語の説明>
 

 

※    1 触感性…プラスチック然としていないソフトな手触り感
※    2 加飾…印刷によるカラーリング、金属蒸着によるミラー化、成型など、色や形を装飾すること
※    3 下地の加飾は濃色に限られ…従来のスプレー塗装では20~30umもの厚膜を形成するため、
下地の印刷色が隠蔽され、濃い下地色でしか表現できなかった。
※    4 テクスチャ・エンボス…塗膜の表面に幾何学的な凹凸を形成すること
※    5 粒径の大きいウレタンビーズ…従来の触感性は柔らかいウレタンビーズを使うことで実現して
いたが、ウレタンビーズはその製法から5um以下の粒径にするこ
とが困難である。
※    6 触感性ヘアライン…ヘアラインとは髪の毛のような細く長いスジを引っ掻いたようなテクスチャ。
従来のスプレー塗装では下地のヘアラインが触感性塗膜で埋もれてしまうた
め、表現が出来なかったが、フィルム塗工工程において触感性塗膜形成段階
で同時に形づくるため、このような新しいデザインが可能となる。

 

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