「ルミアートHCシリーズ」に耐摩耗性に優れた自動車内外装向け「Sグレード」が新登場

  • 機能材料
No.120C36
2019年8月28日

 

3次元加飾用ハードコートフィルム「ルミアートHCシリーズ」に
耐摩耗性に優れた自動車内外装向け「Sグレード」が新登場

アイカ工業株式会社(代表取締役 社長執行役員:小野勇治 本社:愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番1号 JPタワー名古屋26階 資本金:98億9,170万円)は、3次元加飾用ハードコートフィルム「ルミアートHCシリーズ」に、耐摩耗性に優れた自動車内外装向けの「Sグレード」を追加し、2019年10月上旬より発売します。

  • [3次元加飾成形後のハードコートフィルム]
  • [耐摩耗試験後/左:従来品、右:Sグレード]

 

開発の背景

自動車内装に使われるスイッチパネルやインストルメントパネルなどのプラスチック加飾部品には、水圧転写とスプレー塗装が用いられてきましたが、廃液が大量に発生したりVOC※1の放散があるなど環境面での懸念があることから、近年は塗装代替として、アクリルフィルムを用いた熱成形手法である3次元加飾成形方法※2が用いられています。
3次元加飾成形方法では、加飾部品の複雑な形状に対応するため、アクリルフィルムに高い伸び率が要求されますが、伸び率の高いものは日焼け止めクリームで溶解するなど、耐久性に問題がありました。しかし、耐久性を高めると伸び率を維持できず、熱成形時にクラックが発生しやすくなるため、伸び率(成形性)と耐久性(硬さ)の両立が課題とされてきました。そこで当社は2018年1月、高い伸び率と耐摩耗性を両立したUV硬化樹脂の開発に成功し、自動車内装向け3次元加飾用ハードコートフィルム「ルミアートHCシリーズ」を発売しました。
そして昨今、自動車業界では部材に関する環境対応ニーズがさらに高まっており、内装だけでなく外装部品においても、フィルム加飾法の実現化への動きが加速しています。そのような市場動向を踏まえ、伸び率を保ちながら耐摩耗性と耐候性を向上させた「ルミアートHCシリーズ Sグレード」を開発しました。Sグレードは従来品のルミアートHCシリーズと比較して、約5倍の耐摩耗性と約3倍の耐候性を有します。バンパー、ドアミラー、ドアなどの外装部品にも使用できるハードコートフィルムとしてルミアートHCシリーズに追加し、自動車内外装部品の印刷加飾メーカーなどに提供していきます。

 

特長

従来品と比較し、耐摩耗性が約5倍、耐候性が約3倍に向上しました。トレードオフとなる伸び率を犠牲にせず、機械物性と耐久性を両立しました。また、耐候性に優れているため、外装でも使用可能です。
熱成形時の高温領域では柔軟化と高い伸び率(成形性)を実現し、成形後の常温領域では高い耐摩耗性、耐薬品性、鉛筆硬度を示します。
3次元加飾成形に必要な伸び率である200%と250%の2種、インサート成形※3に適した伸び率50%と150%の2種、合計4種類をラインナップしました。
後工程でのUV照射が不要なプレキュアタイプ※4のため、追加設備投資が不要です。
※1  VOC:Volatile Organic Compoundsの略で、揮発性有機化合物の総称。トルエン、キシレン、ホルムアルデヒドなどがあり、大気汚染や健康被害の原因とされている。
※2  3次元加飾成形方法:既にできている成形体(パネルなど)に加飾フィルムを貼り合わせる成形方法。フィルムには高い伸び率が要求される。
※3  インサート成形:フィルムを真空成形などでプレフォーミングした後に射出成形する方法。
※4  プレキュアタイプ:フィルムが熱成形前にUV硬化している方式で、成形後のUV硬化は不要。対して、アフターキュアタイプ(フィルムを成形した後にUV硬化させる方式)では、成形体に応じて大きなUVランプが多数必要とされるなど、多大な設備投資が必要となる。

 

製品概要

■製品名 自動車内外装向け3次元加飾用ハードコートフィルム「ルミアートHCシリーズ Sグレード」
■価格 1,000~2,000円/㎡(消費税抜き)
■発売時期 2019年10月上旬

 

年間販売目標

3億円(既存製品含む)

 

以上

注)このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、ご覧になった時点で内容が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新の情報は、 こちらよりお問合せください。

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