- 化粧板
No.123P08
2022年5月2日
子どもたちが学校机改修を通してSDGsを学ぶ教育プログラム
埼玉県久喜市でトライアル実施、事業化をめざし2社1団体で協業中
アイカ工業株式会社(代表取締役 社長執行役員:海老原健治 本社:愛知県名古屋市中村区)は、株式会社三和製作所(代表取締役社長:小林広樹、本社:東京都江戸川区)および全日本学校教材教具協同組合(理事長:小林広樹、事務局:東京都江戸川区)と協業で、子どもたちが学校机の天板を改修しSDGsへの理解を深める教育プログラムを構築しています。2021年12月から2022年3月にかけて、埼玉県久喜市立小中学校7校でプログラムのトライアルを実施しました。
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▲久喜市立久喜北小学校での天板改修の様子
背景・概要
学校机の天板は、経年劣化に加えてカッターやコンパスによるひっかき傷等での劣化もあり、寿命は10年程度といわれています。当社は、地球環境に配慮しながら限られた予算で教育環境を改善できるよう、かねてより天板改修に対して、天板交換に比べてごみの量を削減できる粘着剤付メラミンシート「メラタック」での重ね貼りを提案してきました。これはSDGsにもつながる取り組みであるとともに、教育的要素も詰まっていることから、学校向け教材・教具の開発や流通を担う三和製作所および全日本学校教材教具協同組合(JKK)と協業で、メラタックによる学校机の天板改修を活用した教育プログラムの構築に着手しています。
そのような中、2021年12月から2022年3月にかけて、埼玉県久喜市の市立小中学校7校にて、本プログラムのトライアルを実施しました。学校生活最後の思い出作りにとどまらず、学びの集大成としての教育的役割を担っている”卒業制作”として取り組まれた学校もあり、下級生を想って作業する児童・生徒の姿も見られました。
今回のトライアルで得られた教育現場の声を参考に、より教育的要素を深化させながら円滑に運用できる手法を構築し、全国展開を目指します。
プログラムの特長
■教科横断型の「STEAM教育」※1につながる。
ひとつのテーマを複数の教科の視点で考え、学ぶ、「STEAM教育」につながります。
■体験を通してSDGsの理解を深めることができる
丁寧に修理・手入れしてものを大切に使うことは、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」の達成に寄与します。実体験を通して、その理解を深め、ものを大切にする意識を育むことができます。
■工場見学動画で、ものづくりに興味がもてる
天板改修で使用するメラミンシートは、「メラミン化粧板」※2の一種です。工場でメラミン化粧板が製造される様子を動画で見て学ぶことで、ものづくりという仕事を知り、興味を抱くきっかけとなります。
■ウイルス・細菌対策の予算で対応可能
抗ウイルス・抗菌性能を付与した「メラタックウイルテクト」を使用し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて組まれているウイルス・細菌対策の予算で対応することも可能です。
※1:Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematic(数学)を組み合わせた教育モデルで、論理的思考力や問題解決能力を高めることを目的とする。2000年代にアメリカで始まり日本国内でも広がりつつある。
※2:当社の主力商品であり、家具・什器・パーティションの表面材としてさまざまな空間で使用されている建築素材。
久喜市での取り組みについて
参加校(小学校5校、中学校2校、計7校)
青葉小学校、青毛小学校、久喜北小学校、栗橋西小学校、鷲宮小学校、久喜中学校、鷲宮中学校
実施時期
2021年12月から2022年3月にかけて
授業プログラム
プログラム | 内容 | 教育的意義 |
①動画教材で工場見学 |
製造工程動画を中心とした教材により、天板改修で使用する建築素材「メラミン化粧板」の特性を知る。 | ものづくりに興味をもつ |
②SDGs授業 | 耐久性が高い素材で学校机を改修することの意義をSDGsの視点で考える。 |
STEAM教育の一環としてのSDGs授業 |
③施工体験1 | メラタックを貼る前の下地処理を行う。 | 図画工作・技術家庭科 |
④施工体験2 | 天板にメラタックを貼り、やすりで整える。 | |
⑤まとめ | 体験を通しての学び・気づきをまとめる。 | STEAM教育 |
児童の感想、校長コメント
プログラムに参加した児童からは、「板をズレないように貼ったり、ヤスリをかけたりするのが難しかったけど、楽しかったです」「このあと使う子たちが、いままで使ったものよりもきれいだと驚いてくれるかなと、楽しみができました」といった声が挙がりました。久喜市立久喜北小学校の柳田薫校長は、「新型コロナウイルスの影響でイベントが中止になっていた中、子どもたちに思い出が作れてよかった。前の学年から次の学年に机が引き継がれ大切に使っていけることは、学びとして非常に充実した経験だった。」と語っています。
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▲柳田薫校長
粘着剤付抗ウイルスメラミンシート「メラタックウイルテクト」について
2020年8月発売。傷に強く、耐薬品性、耐汚染性に優れるといったメラミン化粧板の高い物性はそのままに、簡易施工性を実現させた粘着剤付メラミンシート「メラタック」に、抗ウイルス・抗菌性能を付加した製品です。傷ついた学校机や飲食店テーブルなどの表面に貼る補修材料としてお使いいただけます。また、「メラタックウイルテクト」を含む「ウイルテクト」シリーズは、製品上の特定ウイルスの数を減少させることができる点、その効果が長期的に期待できる点が評価され、2020年度のグッドデザイン賞を受賞しています。
協力団体・企業概要
■株式会社三和製作所(https://www.sanwa303.co.jp/)
1963年創業の三和商事株式会社の製作部門を継承・分社化し、1978年設立。ものづくりの力と流通の力を両輪に、オリジナル製品の開発・製造から、カタログづくり、流通・販売までをトータルで行います。学校に向けた教材・教具は、全国の教育機関で使われています。
■全日本学校教材教具協同組合(https://www.jkkcoop.net/)
1962年設立、通称JKK。全国約400社の教材教具を扱う企業が所属し、60年の長きにわたり、「いま役立つ情報と製品」を先生にお届けしてきました。子どもたちの学びと健康を支えています。
■アイカ工業株式会社
1936年設立の化学メーカー。コア技術である樹脂合成技術と独創性あるデザイン力を活かし、化成品・建装建材の2つの セグメントで多軸的な製品展開を行っています。国内シェアNo.1であるメラミン化粧板を軸とした建築素材は、さまざまな空間に彩りを与えています。
以上
注)このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、ご覧になった時点で内容が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新の情報は、 こちらよりお問い合わせください。
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