自動車内装向け3次元加飾フィルムをバイオマス化

  • 機能材料

No.123C07
2022年5月2日

自動車内装向け3次元加飾フィルムをバイオマス化
バイオマス原料を使用した塗装代替フィルムでサステナブルなクルマづくりに貢献

 アイカ工業株式会社(代表取締役 社長執行役員:海老原健治 本社:愛知県名古屋市中村区)は、自動車内装向けに、バイオマス原料を使用したUV(紫外線)硬化型の3次元加飾※1用ハードコートフィルムを開発しました。4月より本格的なサンプルワークを開始しており、本年6月に発売します。

  • ▲ハードコート剤にバイオマス原料を使用

  • ▲3次元加飾用途例(自動車内装、イメージ)

開発の背景

 SDGs(持続可能な開発目標)が社会に浸透しさまざまな場面で取り組みが進められる中、お客さまからも地球環境に配慮した製品に対するご要望が増加しています。樹脂製品を扱う当社としても、化石由来原料から持続可能な資源への転換を図り、バイオマス原料を活用した製品の開発に取り組んでいます。
 2021年9月には、トウモロコシや大豆といった植物由来のバイオマス原料を一部使用した、UV硬化型のハードコート剤とハードコートフィルムを発売しており、ディスプレイ向けフィルムや電子製品の筐体などの用途で多数のお問い合わせをいただいています。このたび、より複雑な形状に対応できる3次元加飾※1用途において、バイオマス原料を使用したUV硬化型ハードコート樹脂を開発しました。内装ディスプレイやヒーターコントロールユニットなどの自動車内装用3次元加飾ハードコートフィルムとして4月より本格的なサンプルワークを開始しており、6月に発売予定です。
 昨今、自動車産業において部材の環境対応ニーズが一段と高まっており、廃液の大量発生やVOC※2の放散が懸念される塗装の代替素材として、加飾フィルムへの注目が高まっています。今後、自動車外装向け塗装代替3次元加飾フィルムにもバイオマス技術を展開し、SDGsの達成とサステナブルな社会の実現に貢献してまいります。

※1:既にできている成形体(パネルなど)に加飾フィルムを貼り合わせる成形方法で、フィルムには高い伸び率が要求されます。
※2:Volatile Organic Compoundsの略で、揮発性有機化合物の総称。トルエン、キシレン、ホルムアルデヒドなどがあり、大気汚染や健康被害の原因とされています。
 

バイオマス3次元加飾ハードコート製品の特長

■バイオマス度30~40%※3を実現しており、地球環境にやさしい商品です。
■環境対応型商品でありながら、従来品同等の作業性や性能を維持しています。
■熱成形時の高温領域では柔軟化と高い伸び率(成形性)を実現し、成形後の常温領域では高い耐摩耗性、耐薬品性、鉛筆硬度を示します。
■3次元加飾ハードコートフィルムは、自動車内装成形品などへの一体成形が可能です。
■後工程でのUV照射が不要なプレキュアタイプ※4のため、追加設備投資が不要です。
■バイオマスマーク取得に向けた対応も可能※5です。

※3:3次元加飾ハードコートフィルムとしての数値です。
※4:熱成形前にフィルムがUV硬化している方式で、成形後のUV硬化は不要です。対して、フィルムを成形した後にUV硬化させるアフターキュアタイプでは、成形体に応じて大きなUVランプが多数必要とされるなど、多大な設備投資が必要となります。
※5:バイオマスマークは、生物由来の資源(バイオマス)を活用し、品質および安全性が関連する法規・基準・規格等に適合している環境商品に表示が認められるマークで、一般社団法人日本有機資源協会が運用しています。マークにはバイオマス含有率を表す「バイオマス度」が表示されており、下限値10から最大値100まで5%刻みで設定されています。製品ごとの番号取得となるため、カスタマイズ品の当製品では取得していませんが、ユーザーの要望に応じて対応可能です。
 

製品概要

■製品名 バイオマス3次元加飾ハードコートフィルム「ルミアートHCシリーズ」
■用途 内装ディスプレイやヒーターコントロールユニットなどの自動車内装部品の加飾
■価格

オープン価格

販売開始時期

 2022年6月 (2022年4月より本格的なサンプルワークを開始)
 

年間販売目標

 3億円
 

以上

注)このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、ご覧になった時点で内容が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新の情報は、 こちらよりお問い合わせください。

 

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