NEDO「量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」においてステージゲート審査を通過

  • 機能材料

No.126C17
2026年7月30日

NEDO「量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」においてステージゲート審査を通過
リサイクル可能な自動車外装向け3次元加飾フィルムの開発が実用化開発フェーズへ

 アイカ工業株式会社(代表取締役 社長執行役員:海老原健治 本社:愛知県名古屋市中村区)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」において、「高次リサイクルシステム構築を志向する解体性接着技術開発」の共同研究を進めています。このたび、外部有識者によるステージゲート審査が行われ、実用化開発フェーズの実施予定先として決定されました。今後、易解体性接着剤の開発に活用できる量子・古典ハイブリッド技術の実用化に向けた開発を進めてまいります。

背景

 脱炭素社会の実現に向けた取り組みが各所で推進される中、自動車産業においては、自動車製造で排出されるCO2の約25%が塗装工程に起因すると言われており※1、塗装に代わる素材として加飾フィルムへの注目が高まっています。当社の自動車内装向け3次元加飾フィルムは国内外で幅広い車種に採用されており、2021年9月には、業界に先駆けて自動車外装向け3次元加飾フィルムの開発に成功しています。内装よりも面積が大きい外装での塗装代替はCO2排出量のさらなる削減が期待できるため、国内外のメーカーから多数の引き合いを受けており、現在は本採用に向けた評価試験等を進めています。
 2023年11月には、国立研究開発法人産業技術総合研究所(理事長:石村和彦 東京本部:東京都千代田区)、国立大学法人東京大学(総長:藤井輝夫 本部:東京都文京区)、セメダイン株式会社(代表取締役会長兼社長:水澤伸治 本社:東京都品川区)、アイカ工業株式会社の4機関で、NEDOから公募された「量子・AIハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」※2に共同提案を行い、これまで開発を進めてまいりました。このたび、外部有識者によるステージゲート審査が行われ、実用化開発フェーズの実施予定先として決定されました。開発期間は、2026年9月1日から2027年8月31日までです。
 本事業を通してCO2排出量のさらなる削減に寄与する製品を開発し、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。
※1:下地を電着塗装し、中塗り、上塗りと重ね塗りする中で、乾燥工程を繰り返し行うことでCO2が多く排出されています。
※2:「量子・AIハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」から「量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」へ名称が変更されました。

  • 塗装でなくフィルムで加飾される実物のボンネット

    ▲塗装でなくフィルムで加飾されるボンネット(実物)

  • 実物のボンネットへの加飾成形品

    ▲ボンネット(実物)への加飾成形品

共同研究の内容

 異種材を接着剤で貼り合わせた製品は、そのままではリサイクルが難しく、循環型社会を実現するためには画期的な技術革新が求められています。そこで、本研究では、必要な時には十分な接着強度を有し、かつ廃棄・リサイクル時には容易に解体できる、易解体性接着剤の開発を支援するアプリケーションを開発しています。
 本アプリケーションは、量子コンピューター技術とAI(人工知能)を活用し、求める接着性能を入力すると、その性能を満たす接着剤成分や合成プロセスの候補を効率的に探索します。従来、研究者が試行錯誤を重ねながら行っていた材料設計を量子・AI技術によって高度化することで、特定の外部要因によって容易に剥離できる接着剤の開発期間短縮を目指します。
 当社は、易解体性能を有する自動車外装向け3次元加飾フィルムの開発を通じて、本アプリケーションの開発・実用化に貢献します。なお、完成したアプリケーションは、当社の接着剤開発にも活用していく方針です。

自動車外装向け3次元加飾フィルムの特長

■CO2排出量の削減に寄与し、VOCを放出しない
具体的な工法にもよりますが、CO2排出量は塗装のおよそ半分以下となることが試算されています(調査会社調べ)。また、VOC(揮発性有機化合物)を放出しないため、地球環境のみならず作業者の健康にも配慮したクルマづくりにつながります。

■高い伸び率
熱成形時の高温領域(130℃)では柔軟化し、3次元成形に必要な高い伸び率(50%以上)を有します。

■耐薬品性・耐久性・耐候性に優れる
成形後の常温領域では高い耐摩耗性、耐薬品性、鉛筆硬度を示します。ガソリンやエンジンオイル等の影響を受けにくく、洗車キズ等に対する耐久性に優れます。

■デザインのバリエーションが広がる
グラデーションなどの複雑な意匠や、隠し印刷(ステルス印刷)による意匠切り替えなど、フィルムにさまざまなデザインを施すことが可能で、デザインのバリエーションが広がります。

製品概要

■製品名 自動車外装向け3次元加飾ハードコートフィルム「ルミアートHCシリーズ」
■用途 自動車外装の塗装代替フィルム
■サイズ

幅1,260mm以下

■厚み 75μm~500μm

 製品特設サイトはこちら

年間販売目標

 本事業終了後5年目2031年度に3次元加飾フィルム全体で50億円

※NEDOによる公募事業内容の詳細は下記ウェブサイトをご覧ください。
 https://www.nedo.go.jp/news/other/ZZCD_100069.html

以上

注)このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、ご覧になった時点で内容が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新の情報は、 こちらよりお問い合わせください。

 

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