NEDOの「量子・AIハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」に4機関共同で採択

  • 機能材料

No.124C34
2023年11月30日

NEDOの「量子・AIハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」に4機関共同で採択
リサイクル可能な自動車外装向け3次元加飾フィルムの開発へ

 アイカ工業株式会社(代表取締役 社長執行役員:海老原健治 本社:愛知県名古屋市中村区)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から公募された「量子・AIハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」に共同提案を行い、実施予定先として採択されました。共同提案を行ったのは、国立研究開発法人産業技術総合研究所(理事長:石村和彦 東京本部:東京都千代田区)、国立大学法人東京大学(総長:藤井輝夫 本部:東京都文京区)、セメダイン株式会社(代表取締役会長兼社長:水澤伸治 本社:東京都品川区)、アイカ工業株式会社の4機関です。

背景

 近年、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが各所で推進されており、当社もCO2排出量の削減に寄与する製品の開発・拡販に取り組んでいます。中でも自動車産業においては、自動車製造で排出されるCO2の約30%が塗装工程に起因すると言われており、塗装に代わる素材として加飾フィルムへの注目が高まっています。当社は2018年に自動車内装向け3次元加飾フィルムを発売しており、国内外で幅広い車種に採用されています。さらに2021年9月には、業界に先駆けて自動車外装向け3次元加飾フィルムの開発に成功しました。内装よりも面積が大きい外装での塗装代替はさらなるCO2排出量の削減が期待できるため、国内外のメーカーから多数の引き合いを受けており、現在は本採用に向けた評価試験等を進めています。
 このたびNEDOに共同提案した「量子・AIハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」では、接着剤によって異なる素材が貼り合わせられた製品のリサイクル性を向上させるため、解体性接着剤の開発を促進するアプリケーション(アプリ)を開発します。必要な接着物性をインプットし、逆解析によって必要物性値を満たす接着剤成分や合成プロセスをアウトプットさせることで、特定の外部要因によって簡単に剥がせる接着剤の早期開発を実現させるシステムです。当社は、易解体性能をもつ自動車外装向け3次元加飾フィルムの開発を通して、アプリの開発・実用化に貢献します。なお、完成したアプリは、当社の接着剤開発にも活かしていく方針です。
 本事業を通してCO2排出量のさらなる削減に寄与する製品を開発し、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。
※下地やコーティングなどが重ね塗りされており、特に乾燥工程を繰り返し行うことでCO2が多く排出されている。

  • ▲塗装でなくフィルムで加飾されるボンネット(実物)

  • ▲ボンネット(実物)への加飾成形品

自動車外装向け3次元加飾フィルムの特長

■CO2排出量の削減に寄与し、VOCを放出しない
具体的な工法にもよりますが、CO2排出量は塗装のおよそ半分以下となることが試算されています(調査会社調べ)。また、VOC(揮発性有機化合物)を放出しないため、地球環境のみならず作業者の健康にも配慮したクルマづくりにつながります。

■高い伸び率
熱成形時の高温領域(130℃)では柔軟化し、3次元成形に必要な高い伸び率(50%以上)を有します。

■耐薬品性・耐久性・耐候性に優れる
成形後の常温領域では高い耐摩耗性、耐薬品性、鉛筆硬度を示します。ガソリンやエンジンオイル等の影響を受けず、洗車キズ等にも耐えられます。

■デザインのバリエーションが広がる
グラデーションなどの複雑な意匠や、隠し印刷(ステルス印刷)による意匠切り替えなど、フィルムにさまざまなデザインを施すことが可能で、デザインのバリエーションが広がります。

製品概要

■製品名 自動車外装向け3次元加飾ハードコートフィルム「ルミアートHCシリーズ」
■用途 自動車外装の塗装代替フィルム
■サイズ

幅1,260mm以下

■厚み 75μm~500μm

年間販売目標

 本事業終了後5年目2031年度に3次元加飾フィルム全体で50億円

※NEDOによる公募事業内容の詳細は下記ウェブサイトをご覧ください。
 https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100350.html

以上

注)このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、ご覧になった時点で内容が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新の情報は、 こちらよりお問い合わせください。

 

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